ALL'S RIGHT WITH THE WORLD
第五話 A-Part
第３新東京郊外の戦闘跡地。
使徒の屍骸は仮設されたプレハブに囲われ、その内部で解体と調査が行なわれていた。
「…………」
ツナギの上半身をはだけヘルメットを首に掛けるという、『安全基準なんか知りませ〜〜ん』と言わんばかりの格好をしたミサトが、無言で目の前の死せる使徒を見上げていた。
結局の所、今度の戦いでも自分は何も出来なかった。
シンジは自分で判断し、自分の考えで戦い、そして使徒を倒した。おまけに地上に出ていた民間人のフォローまでやってのけた。自らの身を苦痛に晒してまで。
翻って自分のやった事といえば、発令所で喚いて、帰還したシンジに文句を付けただけ。
――間違っていたのは自分。
ミサトの中の善き部分――或いは常識と言うべきか――は、それを素直に認めていた。
しかし、それ以外のミサトの過半を占める部分はそれを認めず、逆に無理矢理押し潰そうとしていた。
自分は父の仇である使徒を、自分の手で倒す為にＮＥＲＶに入った。
小利口で生意気な餓鬼が戦っているのを、ただ後ろで見ているだけのつもりは無い。――断じて。
“葛城ミサト”は道化を演ずる為に、ここに居るのではないのだ。
「……次こそは…………」
ミサトの口の中で歯が鳴り、拳がきつく握り締められた。
「……なるほどね。コア以外は殆んど原型をとどめているわ。ホント、理想的なサンプル。ありがたいわ」
頭上から聞こえてきた『嬉々とした』と言って良いリツコの声に、ミサトはそちらに顔を向ける。
「リツコォ〜、なんか判った〜？」
「……まあ、色々とね。詳しい事は電算室で話すわ。私も一休みしたいし……」
ミサトの問い掛けにそう答えると、リツコはキャットウォーク上を歩き出した。
リツコの指がキーボードの上で踊ると、ディスプレイ上でも数字と記号が踊り、やがて『６０１』と映し出される。
「なにコレ？」
「解析不能を示すコードナンバー」
「……ひょっとして、『良く判らない事が判った』っていうオチ？」
ミサトは皮肉のつもりは無かったが、それを聞いたリツコは唇の端をヒクつかせる。
「……それも科学では重要な認識よ。……それに判った事もあるわ。使徒は粒子と波、両方の性質を備える光の様なモノで構成されているのよ」
リツコはそこで言葉を切り、傍らの紙コップに手を伸ばす。ミサトも釣られるように手に持ったコーヒーに口を付ける。
「……で、動力源はあったんでしょ？」
「らしきものはね……。でも、その作動原理がまだサッパリなのよ」
「まだまだ未知の世界が広がっている訳ね」
「とかく、この世は謎だらけよ。例えば……。ほら、この使徒独自の固有波形パターン」
リツコは脇に退いてキーボードを叩き、表示を変えるとミサトに示す。
「どれどれ？ ……これって！？」
「そう、構成素材の違いはあっても信号の配置と座標は人間の遺伝子と酷似しているわ。……９９．８９％ね」
画面を見て驚きの声を上げるミサトに、リツコは冷静な声で返す。
「９９．８９％って……」
「改めて、私達の知恵の浅はかさ、っていうものを思い知らせてくれるわ」
リツコの評論を片耳で聞きながら画面を見詰めていたミサトだが、やがて息を吐いて身を離す。再びコーヒーを口にするミサトの目に、部屋の外を横切る人影が映った。
「ん……？」
ミサトが出入り口から顔を覗かせると、クレーンで下ろされたコアの前に立つゲンドウと冬月の後姿があった。二人は繁々とコアを眺め、ゲンドウはいつも嵌めている手袋を外し素手でコアに手を触れる。
「おんや……？」
背中で組んだゲンドウの掌に目を留め、ミサトは首を傾げる。
「……どうしたの？」
ミサトの声に興味を引かれたのか、リツコも部屋の外に顔を出す。
「いやね。ほら、司令の手……酷い火傷。いつも手袋していると思ったら、あれの所為だったのね。
……でも、あれってどうしたのかしら？」
「……あなたが本部へ転属する前、起動実験中に零号機が暴走したのは知っているでしょ？」
「ええ」
「その時、レイがエントリープラグの中に閉じ込められてね……。それを碇司令が助け出したの。加熱したハッチを無理矢理抉じ開けて」
「へぇ〜〜。司令も顔に似合わず、良い所あるじゃない」
ミサトは感心した――しかし、内容は思い切り無礼な――声を出し、それを聞いたリツコは顔を引き攣らせる。
「それを知ったらさ、シンジ君も少しは司令の事を見直すんじゃないの？」
視線をゲンドウの背中に向けたまま、ミサトはリツコの表情に気付かずに言う。
（それはどうかしらね……？）
リツコは素直に頷けない。
「……そう言えば、そのシンジ君だけど。……アナタ、ここに誘わなかったの？」
リツコの言葉に、ミサトは途端に不機嫌になる。
「……誘ったわよ。でもねぇ〜、『調べ物をしたいからお断りします。後で結果だけ教えて下さい』だって。おまけに『戦術シミュレーションをしてみたいから部屋を貸して下さい』って……嫌味ったらしいったら、ありゃしない！」
憤慨するミサトだが、しかしリツコはそれに同調しなかった。
「……シンジ君にしてみれば当然でしょう。これまでの戦闘でミサトの指示は殆んど役に立っていないんだから……。彼に当てにされなくても仕方無いでしょ」
リツコは溜息を吐きつつ、『私も人の事は言えないけど……』と心の中で付け加える。
「リ、リツコォ〜〜……」
情け容赦無いリツコの台詞に、ミサト哀れっぽい声を出す。だが、リツコは同情する気配は見せない。
「冷たいじゃない〜〜。アタシを見捨てるの〜〜？ 二人で燃えたあの夜の事は嘘だって言うの〜〜……？」
冷たく突き放すリツコに、ミサトは妖しげな事を言いながら縋り付く。
「へ、変な事言わないで、ミサト！ 離れなさいっ！ ……え〜〜い、離れろっ！！」
むしゃぶり付くミサトを何とか離そうとするが、リツコの腕力はミサトには及ばない。遂には足まで使って漸く引き剥がす事が出来た。
「リツコ……酷い……」
尻餅を付いて妙な品を作るミサトから離れて、リツコは荒い息を吐きながら白衣の乱れを直す。
「……シンジ君に認めさせたかったら、きちんと作戦部長としての務めを果たしなさい。命令は出来ないけど、納得させれば彼は指示に従う、って言っているんだか……ら……？」
ミサトに説教したリツコだったが、周囲の目に気付いて顔を赤くするとミサトの首根っこを掴み、急いで部屋に引っ込んだ。
「…………」
「……恥を掻かせおって」
二人の漫才に笑いを漏らす職員達の中にあって、ゲンドウと冬月だけは憮然としていた。
ミサトやゲンドウ達が未だ地上にいる頃、ＮＥＲＶの食堂では昼食を摂り終えたシンジが、傍目にはボケッとお茶を啜っていた。
ピークを過ぎた食堂には空席が目立つようになってきている。
（ふむ……。来たか）
出入り口の方に目を遣り、目的の人物がやって来たのを確認する。
《ファウスト、準備は？》
《いつでも》
《ＯＫ。……予定通り彼女が食事を終えてから実行する》
《了解》
然う斯うしている間に彼女――伊吹マヤはメニューを選び終えると、テーブルの方へ向かおうとしてシンジに気付いた。
「シンジくーん♪」
手を挙げてシンジが応えると、マヤはトテトテと近付いてくる。その後ろには、同じくオペレーターの日向と青葉が従っていた。
「ここ良いかな？」
「ええ、良いですよ」
シンジが頷くと、トレイをテーブルに置いたマヤは向かいの席にストンと座った。
「やあ、シンジ君」
「今日は、学校じゃなかったのかい？」
挨拶をしながら、日向と青葉も其々シンジとマヤの隣に座る。
ちなみに現在のところ、ＮＥＲＶの一般職員のシンジに対する評価はそれ程悪いものではない。当初こそ初日の事もあり“怖い”とか“生意気”などと思われていたが、別段シンジは誰彼構わず噛み付いている訳ではなく、基本的に年上の人間を立て守るべき礼儀はキチンと守っている。ただし、害意や悪意を向けられれば相応の報復措置を取るが。
従って、『愛想が良いとは言えないし捻くれた所もあるが、（おおよそ）真面目な子』と言うのが全般的な意見である。無論、ゲンドウやミサト、保安諜報部の面々は別の見解を持っている。
「こんにちは。
調べ物をしたかったので、今日は自主休校です」
「あ、あははは……。それはちょっと拙いんじゃないか？」
シンジの答えに、青葉が自分の昼食に箸を付けながら苦笑する。
「そうですね……。でも、生き残る為の努力を怠る訳にもいきませんので」
「……やっぱり、僕達は信用して貰えないかな？」
ミサト直属の日向が困った様に尋ねる。
「残念ながら……」
シンジは申し訳なさそうに、しかしそう答えざるを得ない。
「もっとも、その原因は碇司令を始めとする首脳部にあるので、皆さんに含む所はありませんけど」
一応フォローを入れるシンジだったが、三人はあまり救われたようには見えない。また、其々の上司を弁護しようにも、初戦でシンジがＥＶＡに乗せられた経緯を知っている為、何も言えない。自然、彼等の箸の運びが遅くなる。
「……それにしても、皆さん良くあんな怪しげな髭親爺の下で働けますね？」
それを聞いて、三人は其々顔を引き攣らせ乾いた笑い声を立てる。ＮＥＲＶに入った事情は其々だが、彼等は別段ゲンドウに惹かれて入った訳ではない。シンジにそう言われても笑うしかないであろう。
「……あ……でも、碇司令って、あれで意外と良い所があるのよ」
思い付いて言うマヤに視線が集まる。
「シンジ君がここに来る前に零号機の暴走事故があったんだけど、その時プラグが緊急射出されちゃって……。レイちゃんの怪我はその時のなんだけど、司令は掌を火傷しながらハッチを開けてプラグに閉じ込められたレイちゃんを助けたの」
「へー……」
シンジは興味深げな声を出す。
「事故の事は聞きましたし、司令の火傷もチラと見ましたが……」
そこまで言って首を傾げて暫く考え込む。
「あそこまで跡が残るって事は、手が炭化する程酷いものだったんですか？」
「え……？ そんな事は無いと思うけど……」
マヤはシンジの問いに戸惑い、日向と青葉も訝し気な顔をする。
「……何が言いたいんだい、シンジ君？」
「だって今の時代、人工皮膚の移植とか適切な治療をすれば、火傷なんかかなり治せるでしょう？ ましてやＮＥＲＶの医療技術は世界最高峰、とか言ってるんですから……。
態々火傷の跡を残すなんて、メリットが無いでしょう？」
「……言われてみれば、確かにそうだが……」
日向の問いにシンジが答え、その答えを聞いて青葉は首を捻る。
「それに……」
「まだ何かあるのかい？」
「はい……。その暴走があった時の事故ですけど、屋外で行なわれたんですか？」
「ううん。初号機の起動実験と同じく本部内の実験場よ」
尋ねられたマヤはそう答えたが、シンジは眉を上げる。
「信じ難い事をしますね……」
「え、何が？」
「屋内の実験で射出機構をロックしておかないなんて、正気の沙汰じゃありませんよ。そんな事したら事故が起こった時、綾波が怪我するのは当然じゃないですか」
「あ……」
シンジの指摘にマヤは声を上げて、口を掌で覆う。
「あと、何で司令が――おそらく管制室にいたと思うんですけど――真っ先に綾波の所に駆け付けるんです？ レスキューは待機していなかったんですか？」
日向と青葉は顔を見合わせ、シンジは更に続ける。
「これでは、事故と言うより人災です。そこまで酷いミスをしておいて……。
その時、司令が居たという事は、その実験の責任者は司令自身だったんでしょう？ 何か処分があったんですか？」
マヤは無言で首を振る。実際、今もゲンドウが大きな顔をしているという事は、何事も無かったのだろう。
「当時、本部唯一のパイロットを殺しかけて処分無しですか……。非公開とは言え、ＮＥＲＶは国連の一組織でしょうに……」
無論、ゲンドウが下の者に責任を擦り付けた、という事も考えられる。しかし、その対象となりそうな冬月やリツコが何事も無くここにいるという事は、恐らく全ては有耶無耶にされてしまったのだろう。そんな事が罷り通るなど、ＮＥＲＶが組織としてまともとは思えない。
（これは事故なんかじゃなくて……）
ある仮説に辿り着いたシンジに日向が声を掛ける。
「な、なあ、シンジ君……。ひょっとして……」
小声で言い掛けた日向に、シンジは頷きながらも片手を上げて制止する。
「……迂闊な事は口にしない方が良いですよ」
日向は言葉と一緒に唾を飲み下した。
「し、しかしだな……本当にレイちゃんが死んでしまったら、それこそ本末転倒だろう？ いくら何でも……」
やはり同様の結論に達した青葉が、声を掠れさせて言う。
「そうなんですよ。死んでしまったら元も子もない。ですが、僕が初めてここに来た時も、司令は綾波を殺しかけてる……。
人命救助ごっこをしたりして綾波に対して良い人ぶったりする一方で、平気でそういう事をする。……まるで、幾らでもスペアがあると言わんばかりに……」
全員が押し黙り、俯いたり腕を組む。
そんな中で、青葉はマヤの方を見て仰天した声を上げる。
「……お、おい、マヤちゃん！ すっげー顔色が悪いぞ。大丈夫か？」
シンジと日向が顔を上げると、確かにマヤが真っ青な顔をして汗を流していた。
「医務室に行こうか？」
「……ううん、大丈夫……」
気遣う日向に応え、マヤはボソボソと食事を再開する。その“全く大丈夫でない”様子に、男三人は顔を見合わせた。
「……ひょっとして、何か心当たりがあるんですか？」
シンジの問い掛けに、マヤはビクンと肩を震わせる。
「……シンジ君…………」
「ええ……」
窘めた日向に素直に従い、シンジは引き下がる。これ以上聞くまでも無く、マヤが何かを知っている――そして、それが良くない事であるのは誰の目にも明らかだった。
マヤが漸く食事を終えた時、他の三人はお茶を飲んだり空になった湯飲みを弄んでいた。
冷えきった茶を今にも死にそうな表情で啜り始めたマヤに彼等は掛ける言葉が無く、また、人が少なくなってきた事もあり食堂は随分と静かになっていた。
そんな空気を切り裂くように、突然警報が鳴り響く。
『――総員第２種警戒態勢。……繰り返す。総員第２種警戒態勢。火急的速やかに所定の位置に着いて下さい。……繰り返す。総員第２種警戒態勢…………』
アナウンスを聞いて、マヤ、日向、青葉の三人が椅子を蹴立てて立ち上がる。
「何なの、一体！？」
「拙い！ 司令も葛城さん達もまだ上の筈だ！」
「とにかく発令所へ……！」
「……ＥＶＡを出すような事態ですか？」
「判らない。だが、シンジ君も一応待機に入ってくれ」
慌てる三人にシンジは座ったまま落着いて尋ね、日向が早口でそれに答える。
「了解。……食器は片付けておきますので、行って下さい」
「ありがとう。頼むよ」
それだけ言って慌しく食堂を出て行く三人の背中を見送って、シンジは食器を重ね始める。
（……伊吹さんがあんな状態の時に気の毒だったかな……。
でもまあ、忙しくしてしまった方が、荒療治になってかえって良いかも）
シンジは些か無責任に考え、一つ肩を竦めると四人分の食器が載ったトレイを持って立ち上がった。
「状況は！！」
息急き切って発令所に飛び込んできたミサトが、叫ぶように言う。
「国内を含む、世界各地数百箇所から同時にハッキングを受けました。現在なお増加中、千を超えています」
「既に本部各所のサブコンピューターがやられています。今はＭＡＧＩが攻撃を……」
「ＭＥＬＣＨＩＯＲ、侵入されました！」
キーボードを叩く手を休める事無く説明する日向と青葉を遮るように、マヤが悲鳴じみた声を上げる。
モニター上ではＭＥＬＣＨＩＯＲを表すグラフィックが見る間に赤く塗り潰されていき、ＢＡＬＴＨＡＳＡＲとＣＡＳＰＥＲにも所々染みが出始める。
「くそっ！ 数が多過ぎる……！」
まるで人海戦術の如く潰しても潰しても押寄せて来るハッキングの攻勢に、青葉が呻く様に言葉を搾り出す。既に内部への侵入を許し一瞬たりとも気を抜けない状況にあって、他のオペレーター達も流れ出る汗を拭取る暇も無い。
ミサトに遅れて発令所に入ったリツコは説明を受けるまでも無く、各所が赤く染まるモニターを見て状況を悟った。それと殆んど同時にＭＥＬＣＨＩＯＲが陥落する。
リツコが思わず舌打ちするが、それも一瞬の事。直ぐに気を取り直す。
「ロジックモードを変更！ シンクロコードを１５秒単位にして！！」
「「了解！！」」
後ろから聞こえたリツコの指示に日向と青葉が応える。
二人の操作により、残ったＢＡＬＴＨＡＳＡＲとＣＡＳＰＥＲへの赤色の侵食が遅くなる。しかし、未だ外部からのハッキングは止まず、ＭＥＬＣＨＩＯＲから他の二基への攻撃も始まっており、ジリジリと赤の領域が広がっている。
「司令、Ｂダナン型防壁を展開します」
リツコは司令塔上部を振り仰ぎ、丁度入ってきたゲンドウに決断を仰ぐ。
「……許可する」
「ミサト、手伝ってもらうわよ」
「えぇ〜〜！ ア、アタシＭＡＧＩの事なんか分かんないわよ！？」
「手が足りないのよ。あなたでも猫の手よりはマシだわ」
「リツコ……酷い……」
容赦無い言葉にシオシオになりながらも、ミサトはリツコに従った。
「……何者の仕業だ？ 老人達か……？」
定位置に付いた冬月が、下の様子を眺めながらゲンドウに囁く。
「…………」
ゲンドウは内心はともかく、いつものポーズを崩さず沈黙を保った。
「まさか、こちらの動きを何か掴まれているのではないか？」
彼等は最終的に袂を分つつもりの相手の影を、常に気にせずにはいられない。
「何か掴んだとしても、ある程度確証を得るまで連中には何も出来んよ……。所詮奴等は臆病者だ」
ゲンドウは嘲りを込めて、この場に居ない者への評価を口にする。居ないからこその言葉を聞いた冬月は、自分達を省みて思わず心の内で嘆息する。
「確証を得る為かもしれん……。それに、我々の相手は老人達だけではない。ＮＥＲＶに含みを持った組織は両手両足ではきかんのだぞ……」
「…………」
（……まあ、老人達の仕業なら、今度の会議で何かしら動きを見せるか……）
冬月は再び沈黙したゲンドウを見遣り、取敢えず結論を出した後、今度は本当に溜息を肺の外に出した。
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